出雲市の中学校における重大事態の再調査結果について

二つ目の質問は、本市中学校における重大事態の再調査結果について伺いたいと思います。

出雲市いじめ問題再調査委員会から令和3年(2021)11月に提出された答申と、その前段の出雲市いじめ問題対策委員会からの本市中学校における重大事態の調査結果についての答申を読ませていただきました。

もともと我々議員には昨年12月に再調査結果の概要版を頂いておりましたが、今回、詳細版を読んで率直に感じたことは、被害に遭った生徒が昨今いろいろな地域で起きているような本当に最悪な事態に至らなくてよかったということ、そして、被害生徒及びその保護者にとっては、平成29年(2017)にいじめが始まり、周囲の学校関係者に助けを求めたときから、令和3年(2021)11月の再調査委員会の答申が出るまでの約5年間は心身ともに本当につらい時間を過ごしたのではないだろうかと、また、一生消えることのない心の傷を被害に遭った生徒は受けているわけですので、今どのように過ごしているのだろうかと、被害に遭った生徒と保護者のことがとても心配な気持ちに至りました。

また、同時に、被害に遭った生徒のためにも、そのほかの子どもたちのためにも、こうしたことを二度と繰り返さない仕組みを学校、教育委員会には構築してほしいということと、学校、教育委員会、教育委員会の諮問機関である第三者委員会には被害者側にきちんと寄り添った対応をしてほしいと感じた次第です。そこで、今回の答申を受けて、5点質問をしたいと思います。

1点目として、出雲市いじめ問題再調査委員会の答申を受け、改善すべき提言に対し、出雲市及び出雲市教育委員会は、今日現在、どこまで提言を実行されているのか。また、今後に向けて実行される予定のものがあるようでしたら、併せて伺います。

2点目として、出雲市教育委員会は当初、出雲市いじめ問題対策委員会の答申を受理し、その内容にのっとって改善をする予定であったと考えます。出雲市教育委員会は、被害に遭った生徒の保護者から意見を聞いていながら、出雲市いじめ問題対策委員会の最終答申が提出された時点で、出雲市いじめ問題対策委員会の答申が正しいと判断されたのはなぜか、伺います。

3点目として、出雲市いじめ問題再調査委員会の答申内容は、出雲市いじめ問題対策委員会と相違点があります。出雲市いじめ問題再調査委員会からの答申を受け、出雲市いじめ問題対策委員会の調査についてどのように考えられたのか、伺います。

4点目として、被害に遭った生徒の保護者が市長に再調査を求める意見書を提出していなければどうなっていたと教育委員会は考えているのか、見解を伺います。

5点目として、出雲市いじめ問題対策委員会の調査姿勢、答申内容は、いじめ防止対策推進法を遵守するという観点から、問題があったと考えているのか、なかったと考えておられるのか、伺います。また、その後、出雲市いじめ問題対策委員会に対し何かしらの指導が行われたのか、伺います。

以上、答弁をよろしくお願いいたします。

副 議 長(伊藤繁満君) 杉谷教育長。

教 育 長(杉谷 学君) 登壇 南議員から、本市中学校における重大事態の再調査結果についてのご質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。

まず1点目に、出雲市いじめ問題再調査委員会の答申を受け、改善すべき提言に対して、今日現在、どこまで提言を実行しているのかというお尋ねでございます。

いじめは人間の尊厳、人権に係る重大な問題行動でありまして、生命または身体に重大な危機を生じさせる行為であります。いじめを受けた児童生徒は、生きる権利、教育を受ける権利を著しく侵害されるとともに、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えることとなります。このような行為を絶対に許すことはできません。

学校ではいじめの未然防止に取り組むとともに、積極的にいじめを認知し、早期の解決に向けて取り組んでおります。本市においては、いじめ防止対策推進法の趣旨を踏まえ、出雲市いじめの防止等に関する条例を定めるとともに、出雲市いじめ防止基本方針の改訂を重ね、いじめの根絶に向けて取組みを強化しているところであります。

議員ご指摘の平成29年度(2017)に市内中学校において発生した部活動内でのいじめを原因とします不登校重大事態については、いじめ防止対策推進法に基づき、弁護士、医師、臨床心理士などのいじめ問題に対し専門的な立場の有識者を委員とするいじめ問題対策委員会、以下、対策委員会と申します、が調査をし、市教育委員会に答申がございました。

対策委員会の調査結果は、当該生徒の保護者にも説明されましたが、保護者の見解との相違点も踏まえて、改めて保護者から市長に再調査を依頼されたところであります。

市長は、対策委員会の委員とは異なる有識者を委員とします出雲市いじめ問題再調査委員会、以後、再調査委員会と申します、を設置して、本事案に係る再調査が行われました。この再調査の結果については、令和3年(2021)11月に市長に答申がなされ、保護者にも説明がされております。

再調査委員会の答申には、再発防止の観点や改善を要する点として、学校、市教育委員会に対して7項目の提言がなされております。それら全ての提言内容につきまして、今現在、取組みを進めているところでございます。

具体的に申しあげますと、1点目、教職員へのいじめ対応、いじめの認知、組織的対応ということについての指導は、私、教育長を中心としたいじめに特化した校長面接及び学校訪問を実施し、いじめ対応担当指導主事の配置など、年間5回の学校訪問での状況確認と指導助言、新任・転入・採用管理職を対象とする研修及び各校のいじめ対応コーディネーターを対象とする研修を行っております。

また、二つ目、部活動の目的を多忙化解消プランに記載し、部活動の目的等の周知と、部活動内でのいじめが生じた場合の対応について、校長会、教職員研修において、保護者会や教職員へ周知するよう指導を行ってきております。

三つ目、いじめ問題に対して、被害者、加害者へのスクールカウンセラー等による支援を進めるとともに、重大事態に限らず、いじめ対応について定期的に学校を訪問するなど、市教育委員会が主体的に関与を行ってきております。

四つ目としまして、市教育委員会における安全管理体制を構築するため、いじめ対応チームを組織し、いじめ対応担当指導主事が中心となって、学校訪問を通じ指導したり、いじめ発生時における学校支援を行ってきております。

また、市教育委員会内に服務監督を行う服務担当指導主事を配置しまして、ハラスメントに関する校内教職員研修の実施や、必要に応じて学校訪問も実施をしております。

加えて、本年度から市教育委員会にいじめやハラスメントに関する保護者及び児童生徒の相談窓口を設置し、保護者が直接、市教育委員会に相談ができるようにしているところであります。

五つ目としまして、市教育委員会ではハラスメント指針を改訂し、学校には指針作成と、児童生徒、保護者への周知をすることを求めております。

6番目として、当時、当該生徒への対応が不十分であった教員等と面談をして、いじめに対する認識の指導を行ったり、他の市町へ異動した場合においても、教育委員会同士の共通理解の下、継続して資質の向上を図るような取組みを進めております。

七つ目には、再調査委員会によって作成されましたいじめ問題対応チェックリストをいじめ発生時に活用し、対応や事実確認等に不備や遅れがないように努めております。

さらに、提言された項目を踏まえ、出雲市いじめ防止基本方針を改訂し、小中校長会でも周知を図りましたし、本市全ての小中学校とともにいじめ問題への対応を強化してまいっております。

お尋ねの2点目、対策委員会の答申が正しいと判断されたのはどうしてか、3点目の再調査委員会と対策委員会との調査に相違点があるということについてどのように考えたのかということ、そして、保護者から市長に意見書の提出がなければどうなっていたのか、5点目、対策委員会の調査姿勢等について問題があったのかどうかをどのように考えているのか、また、対策委員会に対して指導が行われたのかという、この4点についてはまとめてお答えをさせていただきます。

本事案につきまして、法の規定に基づき、市教育委員会から、各方面で専門的な知識を有する者で構成します対策委員会に第三者機関としての調査を諮問いたしました。対策委員会からは、本事案に関する調査結果や、いじめの早期発見と適切な対応のための学校の在り方、市教育委員会のいじめ対応の在り方についての提言が答申され、市教育委員会としては真摯に受け止めるべきものと判断をいたしました。

一方、対策委員会の答申結果と当該生徒の保護者の見解が異なったことから、当該保護者からは、法の規定に基づき、再調査を市長に依頼されたところでございます。

市長から諮問を受けた再調査委員会の答申では、本事案について、学校は法令や方針の趣旨の十分な理解が不足し、被害生徒の心情に寄り添う姿勢が乏しかった。また、市教育委員会は、学校から事案についての相談を受け、指導助言を行ってはいたが、学校の対応に任せ、より主体的な関わりが足りなかった。そのため、被害生徒は長期間、強い精神的苦痛と絶望の中で学校生活を送ることとなってしまったと報告されております。再調査委員会の答申では、先ほど述べた対策委員会の提言に、迅速に組織的にいじめに介入することなどの項目を加えた全7項目について提言がなされております。

市及び市教育委員会としては、これらの報告や提言についても真摯に受け止め、先ほど答弁させていただきましたとおり、全ての項目について取組みを進めているところでございます。

今後、いじめ問題については、対策委員会、再調査委員会からの提言内容を踏まえた具体的な取組みを確実に推進していくとともに、本事案からの教訓を生かし、保護者との深い信頼関係を築きながら、迅速、適切に対応していく考えでございます。

以上、答弁とさせていただきます。

副 議 長(伊藤繁満君) 南議員。

2  番(南 浩二君) ありがとうございました。この事案が発生したのは平成29年(2017)でした。その前年にいじめ防災対策協議会がいじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論の取りまとめを行い、様々な指摘をされていますが、教育委員会やいじめ問題対策委員会などの組織が被害に遭った生徒や保護者の声を無視した場合、被害者側は完全に孤立することが想像できます。

出雲市では新たにいじめの防止等に関する条例を令和2年(2020)に制定され、いじめ問題対策委員会とは別にいじめ問題調査委員会を設置できるようにしていますが、今後、被害者側が孤立することはがないシステムの構築をお願いしたいと思います。

再調査委員会の答申にも書かれていましたが、被害に遭った生徒は今も心に受けた傷が残っている状態とのことです。今後、二度とこうしたことが起きないようにするために、教育委員会や学校にはこのような問題に対し初期対応を誤ることがないよう併せてお願いをして、質問を終わりたいと思います。

副 議 長(伊藤繁満君) 以上で、2番、南 浩二議員の質問は終了いたしました。