子どもたちへの地元産食材に対する食育の推進について

2  番(南 浩二君) 登壇 議席番号2番、政雲クラブの南 浩二です。事前通告に従い、1項目について質問いたします。
質問は、子どもたちへの地元産食材に対する食育の推進についてであります。
まず、食育の推進業務を担う農水省によると、食育とは生きるうえでの基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるものと定義しており、学校給食を管轄する文科省は、食育とは子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることと定義しています。なお、出雲市健康のまちづくり基本計画の第3次出雲市食育推進計画にも同様の内容が示されております。
分かりやすく言い換えると、食育とは生きるうえでの基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものとして位置づけられるとともに、様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てると捉えることができます。
そこで、これまでの出雲市における小中学校の食育関連の取組みについて、その一部をご紹介しますと、まず、各学校給食センターに配置されている栄養教諭らが参画し、食に関する指導や県内産品などについて取り上げられている食の学習ノートを活用した総合学習、JAしまね斐川地区本部による食の教育活動などを行うアグリ探検隊や、出前授業の取組み、学校給食センターが行う保護者や地域住民向けの学校給食の試食、また出雲給食だよりによる学校給食のレシピの公開、親子で給食メニューの調理と試食を行うスクールランチクッキングといったものが行われています。
こうした取組みを調べていく中で、現場からはたくさんの声をいただき、その中で多くの課題も浮かび上がってきました。まず、学校側の課題としては、子どもたちが実際に地域に足を運んで農業体験などができるのが一番効果が期待できるとの思いがあるのですが、学校では決められた授業時間があり、課外活動に振り分ける時間がどうしても限られてくるということがあります。また、課外活動などに利用できる市保有の学校教育バス6台が整備されていますが、その使用にあたっては各学校2年間の予定分として事前に割り当てられており、コロナ波前で9割程度が埋まっています。そのため、現地に出かけての体験学習を積極的に実施することは困難だと伺っています。
こうしたことから、総合学習の中で学んだ県内産品について、その食材がどこでどのように栽培されているか、また、その生産者も知る機会が得られないように思われます。さらに、給食センターの見学についても徒歩で行けるような近隣の学校に偏っていると聞いています。
これからの食育は毎日食べている給食の食材がどのように栽培され、どのように調理されているか、子どもたちに五感を通して学ぶ機会を与えていくことが必要だと考えます。そこで、現地に出かけての学習が困難であれば、それを補完する取組みとして、今年度中に全ての小中学校の子どもたちに配付されるタブレット端末を活用し、給食に使用している地場産農産物や県が推進している水田園芸の6品目、キャベツ、タマネギ、ブロッコリー、シロネギ、アスパラガス、ミニトマト、さらに出雲市を代表する特産物である宍道湖や神西湖のシジミなどの地場産水産物の生産風景といった農林水産業の現場の苦労や生産者の思いを動画配信することも可能ではないでしょうか。
さらに、既に行われている生産者らによる出前授業でタブレットを使った生産者と子どもたちによる双方向のやりとりが可能になれば、より子どもたちが地域に愛着を持ち、地域との関わりを持つきっかけにつながるのではないかと考えています。
今後、食育を今以上に推進するためには、学校現場だけでなく、地域の人々や企業の支援も不可欠です。子どもたちへの食育活動を社会貢献的意味合いも兼ねて支援していただける企業や第1次産業従事者をより増やし、食育を進めていくことが必要だと感じています。併せて地元の商業高校や農林高校とも連携し、高校生が取り組んでいる地域商品開発などについて、小中学校に出前授業に来てもらい、一緒に取り組んでみるのもよいと思います。
また、先ほど紹介した親子での給食メニューの調理と試食を行うスクールランチクッキングは、学校給食課によると、令和元年度(2019)の夏休み期間中に8回、秋に2回、合計10回開催し、夏、秋合わせて参加者は191人になっています。なお、参加申込者数は定員が各回10組、20人、合計100組、200人に対して、ほぼ2倍の205組の申込みがあったとのことです。これは出雲給食センターのみでの取組みですが、斐川や平田の給食センターでは、設備がないため、現状対応は難しいと聞いています。現在は、コロナ波のため中止していますが、大変人気の取組みであるため、今後再開できるようになれは、開催方法などを工夫することにより、出雲給食センターから離れた地域の方々にももっと参加をしていただけるのではないかと思います。
現在、第3次出雲市食育推進計画の基本方針の中の一つに、地産地消の推進に向けて食に関する体験活動の機会を提供することが掲げられていますが、今後学校教育バスの運用を拡充して、農業体験や社会科見学を今まで以上にするとともに、6年間の小学校生活の間に給食センターの見学を必須とするなど、最終的には地元産食材の食育を通じて地域とのつながりを強く持ってもらうことが大切ではないかと考えています。
また、保護者や地域住民向けの学校給食の試食についても、可能であれば地元産食材のメニューを食べてもらうことで、地元の方々の理解にもつながり、ひいては子どもたちへの食育につながる側面もあるのではないでしょうか。まずは学校現場に負担のない範囲でできることから一つずつ始めていくことが重要と考えています。
12月議会で質問いたしました学校給食における地元産食材の活用推進と、子どもたちへの地元産食材に対する食育は、合わせて考えていく必要があると思います。
今後、出雲市の小中学校で推進していく地元産食材に対する食育は、先ほど述べたような課題に向き合い、コロナの収束後も見据えて、出雲市健康のまちづくり基本計画に示されている理念も踏まえながら、出雲市独自のものとしてきちんと体系づけて実施していくべきだと考えますが、市としての食育の現状と課題について教えていただき、地元産食材の食育の推進についてご見解を伺います。
以上、ご答弁をお願いいたします。
副 議 長(板垣成二君) 三島副教育長。
副教育長(三島武司君) 登壇 それでは、南議員からいただきました子どもたちへの地元産食材に対する食育の推進について、お答えをしてまいりたいと思います。
まず、小学校での地元産食材に対する食育を進めるために現場から見えてきた課題ということで2点いただいております。この課題についてお話をする前に、これまでも南議員の質問にお答えしておりますが、学校給食における地元産食材の活用は、子どもたちへの地元産食材に対する食育と合わせて進めていくということが大切だと、そういう思いについては私どもも全く同じでございます。このことを前提といたしまして、課題についてもお話をしていきたいというふうに思っております。
まず、課外活動の時間の確保という点でございます。
小中学校におきます食に関する学習につきましては、給食の時間を中心としながら、社会科、家庭科、体育科、これは中学校におきましては保健体育科でございます。道徳科及び総合的な学習の時間等、そういったものにおける学習を相互に関連づけながら行っております。学校によっては、校外活動として、地域に実際に出かけて、農産物の生産過程の見学や農業体験等を通しまして、地元産の食材への理解を深めたり、生産者との交流を行ったりしております。
こういった食に関する学習につきましては、小中学校ともに年間指導計画に基づきまして教科ごとに割り振った時数の中で行っております。そのため時数に決して余裕があるわけではないということについては、まず、ご理解いただきたいと思います。
そういった理由がございますので、新たな校外活動を取り入れる、またはしようといたしますと、現在行っている他の校外活動を取りやめる、または縮小するなどして置き替えることになりますので、そういったことの工夫がまず必要となります。そのあたりのところも踏まえまして、どのような形で実施ができるかについては検討をする必要があるというふうに考えております。
続きまして、学校教育用バスでございます。このバスは、全小中学校におきまして、これは部活動の大会参加、そういった他の活動にも使っております。そのため利用時期やその時間などが重なることで、学校間での調整が必要となる場合があって、その点、学校に対してご不便をおかけしているということは承知をしております。しかしながら、全体としては現在も少しではございますが、空き時間もあるという状況でございますので、当面は先ほど議員からご紹介いただきましたが、各学校の規模に応じて配分いたしました利用時間の枠内で、その必要性に応じて学校間で調整をしながら、効率的にまずは利用していきたいというふうに考えております。
続きまして、総合学習における内容ということで、五感を通して学ぶ機会ということでございます。これについてお答えをしたいと思います。
小中学校における総合的な学習の時間は、地域や学校の特色に応じた課題、あるいは児童生徒の興味・関心に基づく課題などを踏まえまして、基本的には学校ごとに特色ある学習内容を設定をしております。
また、総合的な学習の時間には、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚といった諸感覚を働かせて、物や現象に働きかけて学んでいくことを重視しておりまして、生産活動などの体験活動を積極的に取り入れることになっております。実際に、米作りや野菜作りでは、苗植え、草取り、稲刈り等の作業を、先ほど申しあげました五感を使って体験をさせている学校もございます。
体験学習の補完でございます。これについてお答えをしていきます。
先ほど議員もご紹介いただきましたが、小中学校におきましては、学習活動の充実等を図るために、児童生徒1人1台ずつタブレット型端末を配付して、その活用を進めているところでございます。
タブレット型端末を活用した学習では、動画や音声の教材も利用しているところでございまして、地域の農産品や食品、その生産過程や生産者の思いを知り、理解を深めることができるビデオ教材、そういったものがあれば、食について学ぶ時間や各教科等の授業で活用していきたいと考えております。
こうした学習は、先ほど議員もおっしゃっておりましたが、コロナ禍において、外部の方との接触がないことによる感染防止対策として、また、現場への移動時間が不要になる、そういった利点がございますので、授業時数の効率的な活用として有効であるというふうに考えております。
それから、企業や地域の協力についてでございます。
本市では、斐川地域におきまして、小学生を対象に学校給食米の生産圃場、これ「米米たんぼ」と称しておりますが、ここにおける田植え、稲刈り体験を実施しております。この体験におきまして、JAさんには米づくりの基本的なことを説明してもらい、生産者に作業指導を行ってもらうなどの協力をいただいております。
また、県が行う出前授業では、食糧自給率の学習のほか、市内の農業者に協力をいただき、大型機械等の見学を実施しているところでございます。
このほか、JAでは保育園等での農業体験や生産者組織主催の収穫体験等を実施されております。
最後に、保護者や地域住民向けの地元産食材を使った学校給食の試食の実施についてお答えをしてまいります。
学校給食センターでは、幼稚園、小中学校の子どもたちと保護者の方を対象といたしまして、地元産食材を活用する親子料理教室、これをスクールランチクッキングと称しておりますが、これを開催しております。また、コミセンやPTA等の主催による試食見学会も受入れも行っております。
コロナ禍におきましては、料理教室、試食見学会ともに、感染症拡大予防の観点から、残念ながら実施ができておりません。コロナが収束した際には、ご提案の試食会について、工夫を重ねながら、ぜひ実施をしていきたいと考えております。
学校給食における食育の推進は、先ほど議員からもご紹介をいただきましたが、栄養教諭などを中心といたしまして、食に関する指導に取り組んでおります。郷土料理や行事食を献立に取り入れ、地域の食文化や行事への関心を高めるなどの取組みも併せて行っております。そのほか、家庭科や総合学習、学級活動におきまして「食の学習ノート」を使い、望ましい食習慣の確立、食生活の改善、食への感謝の心を育む、そういった指導も行っております。
今後も、地元産食材を活用いたしまして、子どもたちが地域への愛着を深めるよう、学校給食を通して食育の推進に工夫をしていきたいというふうに考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
副 議 長(板垣成二君) 南議員。
2  番(南 浩二君) ありがとうございました。タブレット学習のことで1点ほど再質問したいと思います。
タブレットを活用して食育を推進していくことに限らず、ICT教育をこれから推進していこうとした場合に、今日、今岡議員さんからも話がありましたけども、家庭での通信環境が課題になっていくというふうに考えられるんですけども、現状、小中学生の各家庭での通信環境ですね、どういうふうになっているのか、例えばWi-Fiがある家庭がどのぐらいの割合であるとか、その辺について参考までに教えていただけませんか。
副 議 長(板垣成二君) 三島副教育長。
副教育長(三島武司君) 家庭におけるWi-Fi環境についてでございます。
先日行いました全員協議会の中で説明を申しあげまして、ただいま2校において試行的に持ち帰りを実施しておりまして、その中で保護者の皆さんへいろんなことを聞いております。Wi-Fi環境があるのかないのか、その前段として、そもそも持ち帰りに同意していただけるかどうか、そういったことについても今尋ねておりまして、これをまた全市に展開いたしまして、そういった形の保護者の皆さんへの問いかけを今後進めていきたいと考えておりまして、今ご質問いただいたことにつきましては、現段階では答えを持ち合わせておりません。申し訳ございません。
副 議 長(板垣成二君) 南議員。
2  番(南 浩二君) 分かりました。それで、今日、通信環境の今後の困窮世帯への支援などについても検討をしていくというようなことがあったと思うんですけども、学校現場からは家庭によって通信環境があるないで学習機会にやっぱり差が出ていって、それが子どもたちの勉強にも差が出ていくんではないかというふうに学校現場の一部の先生らからは伺っていますので、そうしたこともしっかりと踏まえながら、今後支援についての在り方というものを考えていただければなというふうに思います。
それでは、金築農林水産部長に再質問をしたいと思います。
タブレットを活用しての食育について、前向きな答えが先ほどいただけたと思っているんですけども、子どもたちへの地元産食材の食育活動の推進というのは、子どもたちの学びにつながるだけではなくて、農林水産業の全体の振興にもつながる以上、農林水産部が積極的に関わっていきながら、教育委員会と連携をしていく必要があるんではないかなというふうに私は思っているんですけども、そのあたりのお考えを教えていただけませんか。
副 議 長(板垣成二君) 金築農林水産部長。
農林水産部長(金築真志君) 食育の部分での農林水産業の分野の関わりというふうなご質問だったかと思います。
南議員からもご紹介いただいたように、出雲市食育推進計画をつくっておりまして、その内容については例えば食を通じた健康づくりであったり、栄養バランスのとれた食事摂取と、あるいは地産地消に関しても地元産を食べましょうとか、あるいは食の安全安心に関しても、例えば成分表示を確認して安全な食事を取りましょうといったように、どちらかといえば、消費者側、食べる側の視点の食育推進計画の項目が多くなっているかと思います。もう一方では、議員ご指摘のように、生産者として食の安全安心に向けた農産品を作っていくというふうなことも非常に重要な取組みだと思っております。食育の言ってみれば基盤を支えるといいますか、食育の大本といいますか、その部分をこの農林水産業の分野は支えていくといったような役割があるというふうに思っております。
教育委員会からの答弁の中でもご紹介したように、地元産を知っていただくような取組みも従来からやっておりますし、それから例えば小規模な農家の方、個人農家の方でご自身の作られたものを産直市場へ出しますというふうなことの場合にご支援をさせてもらったりとか、あるいはGAPの認証の取組み、農業者さんの生産工程の管理をしていく、食品安全基準なんかに基づいた生産管理の工程を認証されていくという、そういうふうなGAPという仕組みがあるんですが、そのGAP認証を支援したりという形を現在農業の分野ではさせてもらっております。
南議員からご紹介ありました給食の部分でも、これから農業分野が関わっていきたいと思っておりますし、今の食育の推進の分野でも安全な農産品、安全な食品を提供していくという立場から農業分野も関わっていくというふうな考えでおるところでございます。
以上です。
副 議 長(板垣成二君) 南議員。
2  番(南 浩二君) ありがとうございました。ぜひ出雲市の食育活動を今よりも前に進むことを願っています。
参考までに、千葉県においては、ちば食育サポート企業制度といったものを設けているようです。これは千葉県の農林水産部が行っているものなんですけれども、千葉県の食育を県民運動として展開するために社会貢献活動として自ら食育活動に取り組む企業に協力いただくといった制度になるようです。
出雲市においても、こうした他のよい事例を参考にしていただきながら、市内の食育活動が推進されていくことを願っていますので、よろしくお願いします。
最後に、飯塚市長に伺いたいと思いますが、出雲市における食育について、市長の思いが何かしらあれば、ぜひ率直にお聞かせ願えればと思うんですけれども、いかがでしょうか。
副 議 長(板垣成二君) 飯塚市長。
市  長(飯塚俊之君) 食育の部分は非常に重要なことだと思っております。言われるように五感を通して学ぶ機会でもありますし、またこの地元の安心安全な食を誰もで広めて、また食べていくことが、またこれからの成長にも大きくつながっていくものだと思っておりますので、食育の教育、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
副 議 長(板垣成二君) 南議員。
2  番(南 浩二君) ありがとうございました。それでは、以上で質問を終わります。
副 議 長(板垣成二君) 以上で、2番、南 浩二議員の質問は終了いたしました。