新規就農者の確保・育成について

次の質問に移りたいと思います。二つ目の質問は、出雲市における新規就農者の確保、育成について伺います。現在、市では就農を考えている方向けに、就農相談を実施しているほか、農業体験や実習研修による新たな担い手の確保として、アグリビジネススクールを開催し、少しでも多くの就農者を増やそうという取組みを行っています。また、少しでも新規就農しやすい環境を整備するため、関係機関とともに遊休ハウスやリース可能ハウス等の調査や、施設のあっせんを行っており、認定新規就農者には施設等整備事業支援や新規就農支援事業などで金銭的な支援をしているほか、経営改善、技術指導に関わるフォローアップなども実施しています。このほかにも新規就農者の研修期間または就農後の生活や経営が不安的な時期を支援するため、国の事業として認定新規就農者には、年間最大150万円、最長5年間の給付を受けることができる農業次世代人材投資資金といった支援事業もあり、新規就農者向けの支援制度は様々なものがあることが資料を読んだだけでも理解できます。しかしながら、認定新規就農者や認定新規就農経験者にこうした制度などについて話を伺ってみると、現状、就農しやすい環境にはまだまだ程遠いのではないかといった印象を持ちました。私が聞いた声を幾つかご紹介しますが、ゼロから農業を始めると、場所によっては作物を生産する農地が集まりにくいといった声があったほか、収穫期などの繁忙期は人手が必要になりますが、パートやアルバイトなどのサポートをしてもらえる人が就農初期はなかなか思うようには集まらず、日々成長する作物に出荷を合わせるため、夜間も一人でずっと作業をせざるを得ないといった切実な声や、収穫した作物の出荷作業を行う作業場がないため、アパートに持-7-ち帰ってよなよな作業をしているといった声を耳にしました。また、農業は就農間もないタイミングから必要な農機具への投資を行う必要があることから、初期投資の負担がとても重く、ほかの産業に比べると比較的多くの補助メニューはあることは大変ありがたいものの、それでも新規就農者にはかなりの負担感があり、就農をちゅうちょしてしまう側面があるといった声をたくさん聞きました。就農間もないタイミングというのは、当然のことながら経営が確立されておらず、その土地や自分に合った栽培方法も確立されていないことも多く、就農初期に投資をした農機具などが自立後の経営には合わなくなり、不要になってしまうケースも見受けられ、投資をした農家にとって無駄になるだけでなく、購入する際に受けることができる補助金の原資は税金ですが、補助金もある意味で無駄になってしまう可能性があるのではないかと危惧をしたところです。さらに、令和2年度(2020)からは、認定新規就農者が給付金を受給する際の要件として、認定された翌年度中に美味しまね認証という生産工程管理、いわゆるGAPの規則を義務づけられたことから、就農間もない心身ともに余裕がない中で、日常やらなければいけない仕事が増え、取得するために必要なハード整備への投資も行わなければいけなくなったために、出費がかさみ、就農しやすい環境とは真逆の方向に進んでいるのではないかといった不安の声を幾つも就農者から聞きました。親元就農などでよい地盤を継承してもらえる新規就農者はよいですが、ほとんどの方はそうではありません。私は、このような現場の切実な声や課題を踏まえ、新規就農者を現状より一人でも二人でも多く市が本気で増やしたいのであれば、汎用性のある農機具のリース制度を民間企業の協力を得ながら構築することと、地域で空いている作業場や農業用倉庫などの情報提供を官民で協力して新規就農者に行っていくこと、そして、ワンストップでアルバイトやパートの派遣を受けることができるような農業用人材に特化した派遣制度の構築が必要ではないかと考えています。そこで、伺いますが、令和2年(2020)3月に発行されたまち・ひと・しごと創生第2期総合戦略を読むと、認定新規就農者数の令和6年度(2024)末の目標値が対前年度比で5人増となっていますが、直近5年間の実績と目標達成に向けての現状の課題や問題点をお聞かせください。また、課題を踏まえて、目標達成のために来年度に向けて新たな施策の構築や既存の施策の見直しを考えておられるのであれば、お気持ちを併せて伺いた-8-いと思います。以上、答弁をよろしくお願いいたします。副 議 長(板垣成二君) 金築農林水産部長。農林水産部長(金築真志君) 登壇 南議員から新規就農者の確保、育成についてのご質問を頂きました。特に認定新規就農者の実績、あるいは現状の課題、来年度に向けた施策の考え方についてのご質問についてお答えをしてまいりたいと思います。新規就農者の確保・育成につきましては、現在、国・県でも重要施策として様々な支援策が設けられているところでございますが、本市におきましては、先 ほ ど ご 紹 介 い た だ き ま し た よ う に 、 県 内 他 市 町 に 先 駆 け て 、 平 成 1 8 年(2006)にはアグリビジネススクールを開設するなど、早くから取組みを進めてきたところでございます。特に、認定新規就農者、この認定新規就農者とは、5年後の経営目標を掲げた就農計画を市が認定した自営の新規就農者の方でございますが、この認定新規就農者の確保が最も重要であると認識をしておりまして、総合振興計画やまち・ひと・しごと創生第2期総合戦略におきまして、数値目標を設定して様々な取組みを行っておるところでございます。第2期総合戦略では、毎年5人の認定新規就農者を確保するという目標を掲げておりまして、これは平成26年度(2014)から30年度(2018)まで平均で年間4.8人という実績を踏まえて目標の5人を設定したところでございます。近年の実績としましては、平成28年度(2016)が9人、29年度(2017)が4人、30年度( 2018) は 5 人 、 令 和 元 年 度 ( 2019) が 8 人 、 令 和 2 年 度(2020)は8人となってございます。新規就農を取巻く課題につきましては、近年はハウス資材費の高騰等によりまして初期投資が大変多額となっていること、それから集荷等を行います作業場の確保が困難になっていること、それから中山間地におきましては、耕作条件のよい農地の確保が難しいといったことで、新規就農がなかなか進まないといったように、いまだ多くの課題があると考えております。本市におきましては、新出雲農業チャレンジ事業において、圃場や作業場の賃借料に係る助成、親元就農者への給付金、遊休農地の整備費の助成等、新規就農者の方への支援を重点的に行っているところでございます。引き続きこういった施策を広く周知をして、活用していただくよう努めてまいりたいと思い-9-ます。なお、先ほど議員からご紹介のあった国の新規就農支援策、これが令和4年度(2022)においては、大幅な見直しが予定をされておりますので、その情報収集と対応も遺漏なく行っていきたいと考えております。以上、答弁といたします。副 議 長(板垣成二君) 南議員。2 番(南 浩二君) 答弁ありがとうございました。直近の就農実績は目標をクリアしているようですが、先ほど述べた以外にも現場にはまだまだたくさんの課題があり、佐田や多伎、湖陵のように認定新規就農者がほぼいない地域はどうするのかといった課題もあります。さきの市長施政方針において、人口減少が顕著な山間部、海岸部といった中山間地域の支援に向けては、中山間地域が抱える個別課題ごとに庁内横断的なワーキングチームを立ち上げ、多様な視点から捉えることにより、地域のニーズに合った効果的な施策を検討してまいりますと、市長が述べられているように、認定新規就農者がほとんどいない地域については、今後どうしていくのかといったことを地域とも相談していきながら、多様な視点で施策を考えていく必要があるのではないかと私は感じています。また、就農場所を問わず、一人でも多くの方に出雲市内で就農してもらえるよう、今後も努力していくことはもちろんですが、新規就農された方が離農することなく、少しでも早く自立をして、地域の担い手として活躍していただけるように、現場の課題を踏まえて寄り添った支援を今後も講じていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上で全ての質問を終わります。副 議 長(板垣成二君) 以上で、2番、南 浩二議員の質問は終了いたしました。