市長が思う出雲市の強みと弱みについて

質問は、市長が思う出雲市の強みと弱みについてです。
これまで市長は、3期12年にわたり市議会議員を務めてこられ、また、企業経営者もされておられましたので、一住民という立場も含めて様々な視点で、
出雲市を俯瞰的に見てこられたことと思います。
出雲市が4月に発表した統計データ「統計でみる出雲2020」の産業分野を見ると、産業別就業人口は、基幹産業である第一次産業従事者が年々減少傾向に
あり、第二次産業従事者については減少しているものの、製造業においては事業者数が少し減少する中で、従業者数と製造品出荷額はかなり伸びていることが分かります。
第三次産業従事者は、全体的には増加していることが分かりますが、卸売、小売業は、商店数、従業者数、販売額ともに減少傾向にあり、観光は、入り込み客数と宿泊数ともに、コロナ禍以前は増加傾向にあるようです。
そこで、市長に伺います。このようなデータを踏まえつつ、さらに産業分野だけにかかわらず、福祉や教育・文化などを含めて、市長がこれまで思ってこ
られた出雲市の強みと弱みを具体的な事例があればご紹介いただいて、ご答弁願います。
また、強みに対して市長として今後どのように伸ばしていき、また弱みに対してはどのように改善をしていきたいと考えておられるかも併せて伺います。
以上、ご答弁お願いします。

飯塚市長

それでは、南 浩二議員のご質問にお答えをいたします。
まず、私が思う出雲市の強みと弱みについてということでございます。
ご紹介がありました「統計でみる出雲」、このデータを踏まえつつ、私がこれまで思ってきた出雲市の強みと弱み、具体的な事例、また、強みはどのよう
に伸ばし、弱みをどのように改善していきたいかというお尋ねでございます。
出雲市は、豊かな自然や多くの歴史・文化遺産に恵まれるとともに、優良な農地と多くの漁港を有し、製造業や商業、医療・福祉施設が集積するなど、各
産業がバランスよく調和したまちであります。
その本市において、私が考える強みと弱み、そして強みを生かす方策と弱みの改善策について、具体的な事例を挙げてご紹介をしたいと思います。

本市の人口は、令和2年国勢調査の県速報値によると17万2,887人であり、前回の平成27年調査17万1,938人に比して949人の増となり、前回調査に引き続き増加しております。私が、企業経営者や商工団体役員の経験を通して感じていることは、生活の基盤である雇用の場の創出が、こうした人口増につながっているということでございます。
そして初めに、雇用創出に直結する産業観光分野を事例として申しあげます。
本市は、平成30年工業統計調査における製造品出荷額が5,350億円であり、県全体の4割以上を占めております。また、製造品出荷額は平成24年以降増加傾向が続いており、本市はものづくり産業が発展しております。
この強みをさらに伸ばしていくため、投資助成など製造業への支援を通して企業立地を促進するほか、オンリーワンと言われるような技術を有する企業の
誘致を進めていきたいと思います。
一方、市内事業所の99.6%を占める中小企業・小規模企業は、激しい社会情勢の変化の中、経営基盤の強化、人材確保、事業承継といった課題を抱えております。
経営基盤の強化については、産学官金の連携を進めるとともに、生産性向上に向けたIT化や先端設備導入への支援を行ってまいります。
また、人材確保を促進するため、県外へ進学している学生やUIターン希望者への就職支援を行います。
さらに、セミナー開催等による円滑な事業承継や創業への支援、第二創業を推進する施策を展開してまいります。

次に、観光分野についてであります。
新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年における本市の観光入り込み客数は、1,200万人を超える県内最多であります。出雲大社周辺を中
心に年間630万人が訪れ、県の観光を牽引しております。また、宿泊者数は、出雲大社の「平成の大遷宮」以降、年々増加しているところであります。
しかしながら、宿泊者数は観光入り込み客数の僅か6%程度の80万人弱であり、観光客の多くは、市内で出雲大社周辺のみの滞在にとどまり、宿泊を伴
わない通過型観光となっていることが課題であります。
そうした課題に対し、宿泊施設の新設等への支援を行うとともに、市内での滞在時間を延長させる施策を展開し、宿泊者の増加を目指してまいります。具
体的には、アウトドアアクティビティなどの体験型観光の造成、出雲周遊観光タクシー「うさぎ号」による周遊手段の提供、デジタルマーケティングなどによる情報発信に力を入れてまいります。

これまで述べた産業観光分野の取組を進める上で、重要となるのが広域交通ネットワークであります。中でも、空の玄関口である出雲縁結び空港は、令和
元年度まで約100万人が利用し、この圏域の産業・観光振興、文化交流などを支える交通の要として、極めて重要な役割を果たしてまいりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度の利用者は、前年度の3割程度の約30万人となりました。
今後の感染症の動向を注視しながら、路線の維持や減便の早期復活、インバウンドなど、アフターコロナを見据え、利用者100万人の早期復活に向け、
私が会長を務める21世紀出雲空港整備利用促進協議会を中心に、県と連携しながら取組を進めてまいりたいと思っております。
また、農業に関しては、県内一の7,730ヘクタールの耕地面積を有し、米を中心に野菜・果樹・花・畜産など、各地域の地形や土壌に合った様々な品目がつくられております。
その多くが県内一の産出額を誇り、本市の平成30年の農業産出額は125億円と県内随一であり、県の農業を牽引する存在となっております。
しかし、全国的な傾向にたがわず、本市も従事者の高齢化が進み、次世代の担い手確保・育成が急務と認識をしておるところでございます。
県やJAなどと連携して、特に若年層の就業促進を図っていきたいと考えております。
このほか本市の特徴として、福祉・医療分野の人材育成機関、また、病院が県内有数の立地数であることが挙げられております。
2015年の国のデータによると、本市における高度な救命措置が可能な救命救急センターまでの平均所要時間は約15分とされており、全国一の短さであります。
こうしたことから本市は、福祉・医療の面においても安心して暮らせるまちと言えると考えております。
現在、ワクチンの集団接種がされておるところでございます。2回目の集団接種が、これから予約が始まるというところでございますが、先般ご答弁させていただいたように、当初8,000枠を予定してものが1万2,000枠と広がっているのもですね、このように、この圏域の医療体制が本当に充実し、多大なご協力をいただいているおかげだと考えておるところでございます。
また、島根県の傾向と同様に、本市も全国に比して、多世代同居の割合や子育て世代の女性の就業率が高いと私は思っております。
若い世代の子育てや仕事を家族間で支える地域性は、子育てしやすい環境につながる本市の強みの一つであると言えます。
一方、核家族化の進展等により、家族からの支援や協力を得ることが難しい世帯もあることから、若い世代が安心して出産・子育てできる環境を整えてい
くことが必要であります。
また、最後に、私は、やはりこの地域、人材が本当に強みだと思っております。
教育を通して、この地域の勤勉性、また、高い道徳性、このような人材が、私は、この地域の強みであるというふうに考えておるところでございます。
ここまで本市の強みと弱み等について、私の考えを申し述べさせていただいたところでございます。
これからの4年間、この思いをしっかりと実現できるよう、議員及び市民の皆様と対話をしていきながら、取組を一歩ずつ前へ進めてまいりたいと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。